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千住博 × 山形緞通

山形県鶴岡市の文化会館である『荘銀タクト鶴岡』の緞帳製作をきっかけに、
山形緞通のものづくりの現場や職人、実際のじゅうたんに感銘していただき、
千住氏とのコラボレーションが決定いたしました。

真の芸術を探求し、作品を通して自然の美を伝え続けてきた千住氏。
滝をモチーフとした代表作『水神』をもとに、
新作『SUIJIN』が誕生しました。
自然の美しさを取り込む‘足もとからのおもてなし’が始まります。

インタビュー

山形緞通との出会い

山形緞通との出会い

世界的に高い評価を受けている僕の友人・妹島和世氏が建築した、山形県の文化会館『荘銀タクト鶴岡』ーーーこのホールの緞帳を僕に任せていただけることから始まりました。

とても光栄なことでしたし、世界の人に注目されるという視点からも、これは相当良いものを作らないといけないと思い、とても緊張しました。

緞帳を製作するにあたり、いくつかの会社の中でサンプルを作ってもらい比較をした中で、山形緞通のものが最高に良かったんです。目で見るだけではない、触覚的な、皮膚感覚でのリアリティを感じて、これは素晴らしいと思って、すぐに決まりました。

山形緞通という素晴らしいものづくりをしている会社と一緒に緞帳を製作できたことは、とても良い記念になりました。

新作について

新作について

緞帳の製作の中で僕が体感した「この上を歩いてみたい」という思いは、捨て切ることのできない感覚でした。ご家庭の中で、じゅうたんとして実際に足の裏で触って歩いていただくことで、僕の感動が伝わるのではないかと思って、『SUIJIN』の製作を決めました。

製作の中でとても難しいだろうと思ったのは「白」のグラデーションです。しかし、山形緞通のじゅうたんは、元の絵の中にはないようなクリーム色やグレー、紫のような色など、色々な糸を織り交ぜるようにしながら、そのデリケートな色調を糸の色の違いによって表現して、全体の印象を近づけていく。プロフェッショナルな仕事にとても感動しました。

この『SUIJIN』は生まれたての赤ちゃんからお年を召された方まで、本当にみなさんに使って欲しいと思っています。

「今」は「未来」

「今」は「未来」

「将来こういうことがやりたい」と思いながら、今はこういうことをやりましょう、というのは本当はあまりいいことではないんです。

将来やりたいことを今やるのが「今を生きる」ということになります。つまり、「今」とは「未来」なんです。

ですから、僕は常にそのとき思う一番やりたいことをやっていて、このじゅうたんも「昔の自分の滝の作品」なのではなく、「今最もホットな作品」がこの『SUIJIN』なんです。

また、今回のコラボレーションで感じた一番大切なことは、リスペクトできている相手としか組んではいけないということです。それが今回の山形緞通とのじゅうたんづくりでうまくいった理由だと思っています。