1960年代・じゅうたんと家具の手書きの配置図
1962年4月、とある住宅用に制作したじゅうたんと家具の手書きの配置図。60年代に物件へお納めしたじゅうたんは、そのほぼ全てが特注製作されたものです。
工房で大切に保管されている大量の図面を眺めていて興味深いのは、当時から製品の適材適所で合理的の使い分けが行われていたことです。
床面積一杯にはまず、ウールの機械織りウィルトンカーペットの敷き込み。
その上に「RYA RUG 」(リアラッグ)と呼ばれた北欧式の手織じゅうたんをラグサイズで特注製作、置き敷きし、リビングスペースを生み出しています。毛足の長い光沢シャギー羊毛を用いた、牧歌的なじゅうたんです。
第一の暮らしの地面には、質実剛健で機能的なウールカーペットを。そして、団欒の場には、その地面に重なるように優しい手仕事を。学びの多い、当時の見事な提案です。
2023.09.06